Xを見ていて思いついたので
アメリカ競馬のランキングは獲得賞金ベース
ちょっとアメリカ競馬の基本の一つを書いておきますと、アメリカ競馬のランキングは獲得賞金ベース。騎手も調教師もオーナーも全てです。したがって、開催数も多く、比較的賞金の高い東海岸の人馬が、自然と上位に来ることになります。
騎手
今日、2024年5月末の時点で、騎手部門では、1078万ドルのアイラッド・オルティスJrがトップ。20万ドル差で2位がフラビアン・プラ。3位がタイラー・ガファリオン。西海岸のトップが、600万ドル弱のフアン・ヘルナンデスなので、どれだけ東西で賞金の差があるかわかると思います。
🏆Qatar Racing Breeders Cup Sprint (G1)
1.200 m – 2.000.000 USD – for 3yo and upward
🇺🇸 #BC23 Santa AnitaElite Power (USA)
(5H Curlin – Broadway’s Alibi, by
Vindication)
J : Irad Ortiz Jr
T :William I. Mott
O :@JuddmonteFarms
B : Alpha Delta Stablespic.twitter.com/DEjQeDAdBB— 𝙒𝙤𝙧𝙡𝙙𝙍𝙖𝙘𝙞𝙣𝙜 (@WorldRacing1) November 5, 2023
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調教師
調教師に至っては、さらに格差がついています。
1230万ドルでスティーブ・アスムッセンが首位、100万ドル差でブラッド・コックス。西海岸のリーディングはボブ・バファートで640万ドル。ほぼ倍違います。ボブ・バファートは、今年の前半戦、ケンタッキーダービーのポイント対象の重賞等々、相変わらずの無双をしているのにもかかわらず、です。
Muth wins the G1 Arkansas Derby! 🏆 pic.twitter.com/4F7k0VGF8J
— TwinSpires Racing 🏇 (@TwinSpires) March 31, 2024
馬主
馬主のランキングは比較的落ち着いていますが、現在の首位はゴドルフィン。ついで、ケンタッキーダービーを勝ったミスティックダンのオーナーグループ(ミスティックダンの賞金だけで暫定2位!)。その例外を除くと、実質の暫定2位は、チャド・ブラウン厩舎とタッグを組み、ひたすらに快進撃を続けるクララヴィッチステーブル。今年もG1馬1頭を含む、合計4頭の重賞馬を所有。個人馬主としては、大健闘です。
BATTLE! ⚔️
PROGRAM TRADING outfights Naval Power in the G1 Turf Classic and earns a spot at #RoyalAscot! 🎩
— World Horse Racing (@WHR) May 4, 2024
実力とは別、と考えなければ判断が狂う
ただこれだけ賞金の格差があるので、鵜呑みにして勘違いすると、人の実力を見誤ることになります。
このリーディング情報が、馬の格や調教師・騎手の腕を決めるわけではありません。あくまでその時の各競馬場の経済状況を反映した、人間が決めた賞金がモノサシとなっているだけで、アイラッドと比べてフアンが下手とか、高額賞金レースを勝ったからその馬が最強、という認識をしてしまうのは危険です。
各競馬場の格や、一般競走の賞金(同じクレーミング競走でも、8000〜40,000ドルの格差があったりする)、条件等を鑑みて、勝った馬や騎手たちそれぞれの能力を、各人が判断していく、という形が良いのではと思っています。