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あっという間の米国3歳牡馬クラシック
つい先日、ケンタッキーダービー・プリークネスステークスが終わったと思ったら、もう今週末は、3冠の最後を飾るベルモントステークスです。
前年の秋からケンタッキーダービーのポイントレースが行われることを考えると、3冠関係のレースは約9ヶ月ほどの間で完結することになります。早いものですね。
Kentucky Derby 2022
最低人気&補欠で滑り込んだ大外枠スタートの、リッチストライクがハイペースの中、見事な追い込みを決めて見事に優勝。先日アップデートした通り、全てにおいて「ドラマ」という言葉以外では語れない、史上稀に見るドリームレースを制した、現3歳馬のなかで最もラッキーな馬、そして馬主で彩られた最高のケンタッキーダービーでした。
Preakness Stakes 2022
ダービー馬が、疾病以外の理由で出走回避する異例の状況の中、開催されたプリークネスステークス。
ホセ・オルティス騎手騎乗の、アーリーヴォーティングが4角先頭で押し切って優勝。
こちらもラッキー・・・とは言いませんが、購買金額は20万ドルと、けっして高額の部類に入るわけではない金額で購買され、4戦目で栄冠を勝ち取りました。
3戦目のウッドメモリアルで2着した後、無理にケンタッキーダービーに行かず、大事に育てられつつ、結果として適性の高いレースに登録し、3冠の舞台に躍り出たことにより戴冠。
今や東海岸に置いて、名調教師の名をほしいままにするチャド・ブラウン、そして同師とGood Combinationとなっている馬主の、クララビッチステーブルズ。その力を、まざまざと見せつけてくれました。
What’s gonna happen at the Belmont Stakes 2022?
さぁ、そうなってくると気になるのは、3冠の掉尾を飾るベルモントステークス。
今、アメリカ競馬ファンの頭の中は、これがグルグルと回っているはずです。
もちろん、目が離せないのは、ケンタッキーダービー馬・リッチストライク。
そうそうにベルモント入りし、中間の調教も順調。プリークネスステークスをスキップした分だけ、馬自身はリフレッシュされています。
無論、1ヶ月おきにG1を連戦するのは、見た目以上に厳しいものですから、前走のダメージは勘案されるところですが、あの末脚を見たら、2冠への期待も膨らむというもの。
ただ、1つ気になる点は、ベルモントパーク競馬場自体が、最後の直線が300m足らずと、米国最大級の競馬場にしては、直線が短いということ。そのため、コーナリングしつつ、押し上げていかねばならないため、その器用さも求められます。ましてや、ダービーほどのハイペースになることは考えにくいため、残り1000mあたりから仕掛けていかないと、捉えきれずに終わる可能性もあります。このあたりは、鞍上のサニー・レオンの手腕にも期待したいところです。
個人的には2番人気のWe the Peopleに期待。
前走の着差は10%くらいの要素ですが、私的な感覚で行くと、名門ウィンスターファームが送り出してきたWe the Peopleに期待しています。
前走のピーターパンステークスでは、2着以下に大差をつけて優勝。同じベルモントでの競馬であり、前述の通り、短い直線の中で大差をつけて勝てるのは、それなりの才能を持っている証拠。リッチストライクを脅かすのは、この馬ではないかと思っています。
ちなみに、We the Peopleの母父は、名種牡馬Tiznow。これで彼が勝つようなことがあれば、奇しくもプリークネス・ベルモントを、BMSとして連覇することになりますから、Tiznowを繋養していたウィンスターファームとしても、ここは勝ち抜きたいところ。今からワクワクしています。
The test of Champion
テスト・オブ・チャンピオンと言われるこのレース。
過去には、ラニが3冠を踏破して、このレースで3着。マスターフェンサーがプリークネスをスキップし、参戦して5着していますが、まだ日本馬の優勝はありませんし、今年も参戦はありません。
(日本人馬主としては、鶴巻智徳氏がエーピーインディで優勝しています)
詳しくはウィキペディアでもご覧頂ければと思いますが、過去30年の勝ち馬を見ると、錚々たるメンバーです。イージーゴア、サンダーガルチ、レモンドロップキッド、エンパイアメーカー等々、記録にも記憶にも残る名馬たちがズラリ。大注目すべきレースです。是非これを機会に、YouTube等で過去のベルモントステークスをご覧になってください。きっとお楽しみ頂けると思います。
ちなみに私の好きなベルモントSの一つは、”Here comes Lani!” です。