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3冠の最後を奪取したのは、やはり名門厩舎、トッド・プレッチャー。
チャド・ブラウンと並び、東海岸及びアメリカ競馬を代表する名伯楽。今年はケンタッキーオークス2着のネスト、ケンタッキーダービー5着のモードニゴールの2頭で、ベルモントステークスに挑戦。そして、後述する通り、ワンツーフィニッシュを決めました。
もう、さすがという他、ありません。
トッドの父、JJさんは育成牧場を経営するホースマンであり、そして育成先放牧先として、息子のオペレーションを支えています。全ての馬が委託されているわけではないでしょうが、多くの馬は親子鷹によって育てられているはずで、その意味において、息子の偉大な功績の影の立役者と言えるでしょう。
写真左は、2着のネスト。Maryがケンタッキーオークスの時に、リードを務めていたようです。
ちなみにこのMaryが乗っている馬は、昨年ブリーダーズカップで矢作厩舎を支えた馬です。
ベルモントでの経験が全てか
今年のベルモントステークス。もちろん調教の段階から、ケンタッキーダービーを優勝した、リッチストライクに注目していました。ただ、追い切りの後に、やや不安を感じるようなコメントが出ていたこともあって、少し懐疑的に見ていました。
そのため、前走ピーターパンステークスを圧勝した、ウィーザピープルを、個人的な本命として押していました。大レースは、直前のレースで強かった馬を推すのが常道。あの勝ちっぷりからは、固いだろうと思っていたわけです。まぁ、予想通りに行かないのが競馬です。
あまり流れの良くなかったスタート
というふうに、私は見ました。結局2着に来たネストは、スタートで躓き後方からの競馬、ダッシュのつかないリッチストライクと並んで1コーナーになだれ込んでいきます。
最内にいたウィーザピープル、スキッピーロングストッキングは、外枠の馬を入れないため、2頭とも外に張り、張りすぎたスキッピーは、慌てて再度内に潜り込もうとします。
ここは、以前日本でも、川田将雅騎手がジャパンカップの解説(?だったかと)で、外に張る話をしていましたが、同様の意味合いになります。
そして、ここからウィーザピープルが内に切れ込み、一団となってコーナーに突入していきます。この時点で、既にリッチストライクは最後方単騎になります。
道中の流れは、落ち着いて「しまった」
リッチストライクの位置取り、そして流れを見ていて、完全に彼のためのペースではない、ということがわかりました。ウィーザピープルに前半2ハロンで24秒、4ハロン48秒後半のラップを刻まれてしまいます。ある程度、団子になっているとはいえ最後方。逆に勝ち馬は、この時点で5番手。
アメリカ競馬のペースにしては、ミドル〜スローになったレース展開。この流れに落ち着いてしまったのです。
この時点で、私の頭の中によぎったのは、2019年のマスターフェンサー。
行き足のつきにくいマスターが、最後方を追走。角田先生からは、遅くとも残り5ハロン程度から追い出していかないと間に合わない、という指示が出ていましたから、当時の鞍上ジュリアン・ルパルーも、ロングスパートを覚悟で、追い出し始めたのですが、なかなか反応を見せず。最後は伸びて5着での入線となりましたが、全く同じ感覚がよぎったのです。
リッチストライクは、超ハイペースのケンタッキーダービーをイン強襲して勝った馬。マスターフェンサーは、ダービーで負けはしたものの、出走馬20頭中、最速の上がりで回ってきた馬。同じような脚質。間に合わない!と思いました。鞍上サニー・レオンの、ベルモントでの経験不足・・・なのかな?とも。
4角で完全に勝負はついていた
時、既に遅し。残り500m前後からの追い出しで、必死になるリッチストライクを横目に、先行集団は自らのラップを刻み、余裕で4コーナーを回っていきます。結果として、ここで完全に勝負はついていました。
一番人気のモードニゴール。スムーズなコーナリングから、見事に王道の4角先頭。
ダービー馬は脚を余して負けた
ベルモントパークは、1周が大きいのに直線は短いという、トリッキーな競馬場。えてして、後方待機の馬には厳しい形状でもあるわけですが、リッチストライクには不向きな展開となってしまったようです。
最後の1ハロン上がり最速は、勝ち馬のモードネガル。
強い馬が前で競馬をする。このようにパターンがハマった強い馬に、勝てるはずもありません。その後を追っていませんが、おそらく脚を余したリッチストライクはピンピンしていると思います。勝手な推測では、このまま休養を挟むことなく、真夏のダービーと言われる、トラヴァーズステークスまで突っ走りそう。適距離の2000mで、ぜひまた切れ味を見せてほしいと思います。
リッチストライク寄りのブログになってしまいましたが(笑)、どうぞご了承くださいますようお願いいたします!!