大井競馬初
過去には船橋所属だった、フリオーソのドバイ遠征等があったため、海外遠征の前例がないわけではありませんが、地方馬として、初のアメリカ遠征が決まりましたね。
東京シティ競馬より、現地時間4月8日(土)にアメリカのサンタアニタパーク競馬場で行われる #サンタアニタダービー (GI・左1800m)に #マンダリンヒーロー (大井・藤田輝信厩舎)が出走予定であることが発表されました。 pic.twitter.com/j8zoZStH6E
— 地方競馬全国協会(NAR)公式 (@nar_keiba) March 6, 2023
このポイントレースの設定当時は、実際に実現できるかはわかりませんでした。ポイントリーダーになっても、実力の伴わない馬が遠征に来たところで、興業としてもレースとしても、あまり意味を成さないからです。
そこで最低ポイント数を200とし、かつサンタアニタ競馬場の競走部での検討を踏まえた上で、選出馬を決定することになりました。
そのため、マンダリンヒーローは受け入れ先としても面白いという判断が働いたものと推察します。
風向きは悪くない。もしかすると勝てる
上記はアメリカの競馬メディア・Horse Racing Nationに掲載されている、現時点での出走予定馬。
西海岸における、ケンタッキーダービーへの直行便なのですが、なぜか例年出走馬の数が多くはなく、10頭を超えたのも、ここ10年の間で数回と記憶しています。
現時点ではProbableが3頭、Possibleが2頭。つまり、確実性の高い出走予定馬は、マンダリンヒーローを含めてたったの3頭であり、ヘタすると、その3頭のみで競馬を行う可能性すら出てきています。
となると、勝ち負けの目も出てきますし、仮に最後方で入線しても、カタログ上はG1入着の箔が付くことになります。
サンタアニタ競馬場としては、現在サンタアニタダービーが賞金最上位の競走として位置づけられているので、競馬場としては、なるべく頭数を集めたいところ。ところが、一部上位の厩舎の馬を恐れる陣営もいれば、馬に無理をさせない厩舎・馬主もいます。
そのため、遠征する側としては、好条件になってきているわけです。
相手とペース
ただ、相手も強い
🏆San Felipe Stakes (G2)
1700m, 400.000 USD, for 3yo
🇺🇸 Santa AnitaPractical Move (USA)
(3C Practical Joke – Ack Naughty, by Afleet Alex)
J :Ramon A. Vazquez
T :Tim Yakteen
O : Pierre Amestoy/Leslie Amestoy/Roger Bersleypic.twitter.com/jv2O4T7cSA— 𝙒𝙤𝙧𝙡𝙙𝙍𝙖𝙘𝙞𝙣𝙜 (@WorldRacing1) March 4, 2023
そうは言っても、相手は強い。
プラクティカルムーヴは、同厩舎の素質馬へジャズィなどを率いて、前走G2サン・フェリペステークスを圧勝。もう1ハロン延びても、おそらく追いつけないレベルでしょう。他に、この2週間の間で、どのような強敵が出てくるかはわかりませんが、おそらく万全の体制で臨んでくるはずです。
アメリカ競馬のペースについていけるか
一番大きな懸念点はコレ。アメリカ競馬のペースについていけるか、という点。
日本競馬は非常に興味深い流れで、スタートは速く、最初の直線・コーナー・向こう正面で落ち着き、また3コーナーに入るまでに、場合によっては小足を使って先団に取りつき、3〜4コーナーで流れが加速し、直線で力を出し切る競馬。
代わって、アメリカは、基本的には速いスピードでのワンペースで3コーナーまで流れ、そこからは我慢比べ。未だに疑問が晴れませんが、なぜかそれでもみんな我慢ができる調教が施されているため、前もなかなかタレてくれません。
今回の本命であろうプラクティカルムーヴも、そのたぐいの馬。そう簡単に譲らないでしょう。
ただ、強い馬たちが超ハイペースで潰し合って、スタミナの残っている後続が差し切るという、マルシュロレーヌやリッチストライクのような例もあるため、全く勝ち目がないわけではありません。
ましてや、頭数が非常に少なくなった場合、後続だったとしても、脚を残して直線に入れれば、奇跡を起こすことも可能性としてなくはない。
中央への挑戦経験もないマンダリンヒーローが、超ハイペースで流れる競馬に勝ちきるためには、それ以外にないと思います。
挑戦を素直に評価したい
初の挑戦者となったマンダリンヒーローについては、素直に評価をしたい。
その上で、けっして甘くはないアメリカ競馬3歳の頂点に向かう馬たちに、どこまで対抗できるか。楽しみに見ていきたいと思います。